言葉に一人歩きされると困るなと思っただけ

あらためて読み返してみて、前のエントリの散漫さを反省。

1) 自営業者たる職人なら仕事のものはきちんと経費に計上して当たり前

企業会計的にもそれが求められているし、経費にできるものを経費にしない(で利益扱いにしたうえで、企業会計を離れたところ(=自腹)で必要なものを購入する)とモロ税金に跳ね返ってきますから。

2) 自己研鑽に使うお小遣いまで含めてお給料としてもらっている企業内職人が仕事で使う小物を好きなように購入するのは、さほど悪いことじゃない

大事なのは前半部分、企業が最初っからそういう研鑽費を込みで支払いしているってところ。砕いて言えばふつうの人よりあきらかに高いお給料をもらっている人が、ということ。

もちろんそれだって考えようによっては本来企業会計本体の方で処理するべきものを個人の負担に任せるということにつながるわけですが(企業的には人件費として計上するか消耗品なり研究開発費なりで計上するかの差でしかないけど、サラリーマン個人としてみれば給料の形でもらえば税金やらなにやらあがるのに、いわゆる「自腹」で買ったものは経費計上できませんでしょ?)、それなりの研鑽費があらかじめ上積みされているなら、多少の負担増は選択の自由ということにしてもいい。

3) そういう上乗せ分をもらっていない人まで「自腹」の風潮に毒されるのはよろしくない

基本的な理由は前段に書いた通りだけど、安い賃金でタコ部屋に押し込められているような人たちにまで「職人なんだから自腹が当たり前だろ」と言うのは単なるいじめ、搾取でしかない。当然支払われるべき経費が支払われていない、企業会計の外でなんとかしろ、というんだから、ひどい話。

4) もちろんそういう人が「自分は自営業者だから自分の道具は自分の経費で持つのが当然だ」と誇りをもってやっているならそれはそれでよし

それはもうどこにでもある零細企業と同じなのだから、口出しできることじゃない。その人の商売繁盛を願うばかり。

交通費の例で話をすればよかったですね。定期券代をくれる企業もあれば、時間が不規則すぎるからと回数券やら何やらでくれる会社もある。場合によってはタクシーを使いまくることになるから交通費としては出さない(出せない)けれど給料の形で上乗せしてくれるところもあるだろうけど、その手の保証はいっさいなしで「社会人なんだから交通費くらい自分で出せ」と言われたらイヤだし、そういう風潮はよろしくないよね、という話。

……やっぱりなんだか散漫だな(汗