2011年のPerl

すでに多くの方にご覧いただいているようですが、gihyo.jpの新春特別企画のひとつとして「2011年のPerl」という記事を書かせていただきました。書きそびれたこと、あえて書かなかったこと、いろいろありますが、お正月用の小ネタとして気軽に読み流していただければさいわいです。

http://gihyo.jp/dev/column/newyear/2011/perl-prospect

以下、多少補足しておきますと……

  • Perlのリリーススケジュールについては、5.13系列のPorting/release_schedule.podに記載されています。いまのところPerl 5.14のリリース日は最短で2011年4月8日頃になりそうです。
  • 書き方がわかりづらかったですが、最新版の更新履歴はperldeltaに、過去の更新履歴はperl(バージョン)deltaに書いてあります。いまCPANにあがっている最新版は5.13.8なので、同梱されているモジュール/POD一覧を見ると、5.13.8の情報が書いてあるperldeltaと、過去の情報が載っているperl513[0-7]deltaがある、という具合。ちなみに、リリース後には次のリリースのためにperl(リリースしたばかりのバージョン)deltaを作成してリポジトリに入れておくことになっているので、perl.orgなりgithubなりのリポジトリを見ると、すでにperl5138deltaも確認できます。
  • YAPCでも話があったように5.12以降は毎年Perlをリリースすることになったため、今後どのPerlをサポートしていけばいいのか、という議論も出てくるようになりました。たとえば、Dave Rolsky氏の記事(1)Dave Rolsky氏の記事(2)chromatic氏の記事などが一例としてあげられますが、これらはあくまでも開発者側の言い分でしかないことには注意しておいてください(もう少し穏当なところではmiyagawaさんの記事もあります)。コメントにもありますが、ユーザ側の言い分は別にありますし、2008年にPerlが追加されたLinux標準規格なども6年くらいは後方互換を維持することを目標にしています。いまの開発陣の判断は「その半分でも十分長い」というものですが、これが本当にビジネスユーザに受け入れられるかどうかは微妙なところでしょうね。このあたりの話が開発者側、ベンダー側、ユーザ側のそれぞれでどう変わっていくかも今年、来年あたりのポイントかなと思っています。
  • 上とも微妙に関係しますが、ビジネスとコミュニティとを結ぶ架け橋を目指すPerl Ecosystem Groupというのも発足していたのでした。発起人はmiyagawaさんと同時期にホワイトキャメルを受賞したガボール・ザボ(Gabor Szabo)氏と、ドイツでPerlの定期刊行物$fooを出しているレネ・ベッカー(Renée Bäcker)氏。
  • perl.orgの変遷については、The Perl NOCと、Perl本家トップないしLearn Perlあたりを比べてみるのがわかりやすいかと。ほかにもperldoc.perl.orgが大きく変わっていますし、長年O'reilly社が管理していたperl.comについてもThe Perl Foundationの管理に移行しています。
  • The Perl Foundationの活動とそれに要した資金については年頭に公開されたTPF Programs in 2010という記事にわかりやすくまとまっています。ぜひご一読をば。
  • 昨年はダブル成人式ネタを筆頭に、結婚とか、お子さんの受験ネタとか、「みんな、年とったよねー」と感じることが多い年でもありました。もちろん世間一般からすればほとんどのみなさんはまだまだ若い部類に入るわけですが、こういった環境の変化がどう影響してくるのかを見るのも今年のひそかな楽しみだったりします。
  • 次回Hachioji.pmの参加表明はATNDからどうぞ。

まだなにか書き漏らしているような気がしますが、思い出したらまたあらためて記事を書くなりなんなりしましょう。

元記事を書いている最中に幼稚園の頃から知っている近所の子が亡くなったとか、その後風邪で寝込んでまたも納品が遅れてしまったとか、無理矢理帰省したものの、滞在中ずっと微熱が下がらず往生したとか、いまも咳がとまらずに難儀しているとか、年末年始は散々でしたが、いまふと気がついた。なるほどこれが前厄か!

一年の始まりからしてこうでは先が思いやられますが、まあ、ぼちぼち行きましょう。